きさぎ氏に「アッパレ」

北羽新報の第2社会面に連載の4コマ漫画「アッパレ君」は、きょう30日で終了する。
作者のきさぎのぼる氏からは毎週、1週間分の原稿が郵送されて来ていた。
それも12日消印の作品で最後となった。

届くと、掲載日の指定がある作品以外は、内容などをチェックして掲載する日を決めていた。
例えば、春の花を題材にした作品。
作者の住んでいる関東地方だとすでに咲いているようでも、能代山本ではまだ早かったりすると、掲載を先送りするといった具合に整理していた。

作品にはストーリーやオチが瞬時に理解できるものもあれば、作者の発想についていけず、少し考えてから「なるほど」と納得するものも。
社内の誰よりも早く読めるのが担当者の特権で、「今回はどんな作品なのか」と楽しみにしていた。

アッパレ君は27歳のサラリーマン、しっかりママと4歳児の3人家族という設定で、連載が始まったのが昭和62年5月1日。
きさぎ氏は当時、「会社、家庭を中心に世相をチクリと風刺しようと思いますが、見事に傑作が出来ましたらアッパレとご声援ください」とのコメントを本紙に寄せている。

その、きさぎ氏が26日に亡くなった。
今月上旬、高齢、体調不良により「月末で連載を終えたい」との意向を伝えてきていたが、28日夜に訃報が届いた。
家族の話では「生涯漫画を描き続けたい」と言って最後まで頑張り、人生をまっとうしたという。

35年間にわたる連載、本当にご苦労さまでした。「アッパレです」。
ご冥福を心よりお祈りいたします。

(工)

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