待望の3往復、定着を

大館能代空港でカメラを構え、到着する飛行機を待ったのは平成10年7月18日の開港日以来だった。
大型連休直前の4月28日、同空港の東京(羽田)便が待望の3往復となり、その第1便を写真に収めた。

新たに加わったのは羽田発午後1時5分(大館能代着2時15分)と、折り返しの大館能代発午後2時55分(羽田着4時10分)の1往復。
初日の羽田からの搭乗者何人かに話を聞くと、これまでは午前便は羽田発8時55分、夕方便は大館能代発6時30分だったため「朝は慌ただしく、夕方便は家に帰ると夜遅かった。ちょうど使いやすい時間帯」と歓迎していた。

この「昼便」は、コロナ禍による需要減退もあり、当面は金曜から日曜日の週末の運航となる。
3往復定着には、来年10月までの利用実績が課題となり、県北圏域住民がいかに多く使うかも試される。

ただ、近年は青森県弘前市周辺住民の同空港利用が増えているという。
高速道路網整備で時間的距離が短縮されたこと、駐車場が無料なことなどから地元の青森空港より大館能代を選択しているようだ。
空港利用促進協議会(事務局・大館市)には青森の自治体が10市町村も加盟した。
これは、開港前の空港建設運動の際は想定もしていない動きだ。

空港ビルの外で到着便の写真を撮影していたら、近隣からビル内のレストランにランチを食べに来たというご婦人2人組に「この飛行機に誰か乗ってきたんですか」と声を掛けられた。
ビル内は節目の祝賀ムードだったが、地元の2人は3往復化を知らなかった。
さあ、みんなで乗ろう「ちょっとそこから、ずっと遠くへ」。

(池)

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