ころころかわるのも…
サッカーのワールドカップで盛り上がる中、大相撲九州場所は先月27日に、平幕の阿炎が28年ぶりとなる3力士による優勝決定戦を制し、1年を締めくくった。
1人横綱の照ノ富士が初日から休場した今場所は混戦模様となり、4日目で全勝力士がいなくなるという53年ぶりの事態。
中盤は元横綱・朝青龍のおいの豊昇龍と、昭和の大横綱・大鵬の孫で元関脇・貴闘力の三男の王鵬が奮闘したが、終盤で失速。
結局、年6場所すべてで優勝力士が違い、これは31年ぶり。
賜杯を手にしたのは1月の初場所から御嶽海、若隆景、照ノ富士、逸ノ城、玉鷲、そして阿炎。
名古屋(7月)から3場所続けて平幕が制したが、これは史上初めてという。
平成18年から10年間、朝青龍、白鵬をはじめとするモンゴル出身力士、欧州出身の琴欧州、把瑠都が優勝を続けたことがあった。
しかし、ここ数年は日本出身力士に「賜杯」が近くなった様相だ。
中継を見ていると、能代市二ツ井町にゆかりがあった豪風関(現押尾川親方)が引退後、郷土力士が消えたのが何より寂しいが、親方は中継の解説を務めることもあり、現役時代の取り口同様に小気味よい語り口が好評だ。
正代が大関を陥落、来年1月場所は1横綱1大関。これは125年ぶりのよう。
優勝力士、上位の番付がころころ変わる昨今の大相撲。
それはそれで面白いが、強い横綱や大関に下位力士が挑み、殊勲の星を挙げるのも醍醐味(だいごみ)だ。
そういえば、最近は大臣もころころ代わる。こちらは決して国民に歓迎されることではない。
(池)