マスクの〝卒業〟
新型コロナウイルスと歩んで3年余り。
政府は、卒業式のマスク着用について「教育的意義を考慮し、児童生徒等はマスクを着用せず出席」が基本とした。
ウィズ・コロナなのかアフターなのかポストなのか、よく分からなくなってきたが〝マスクなし〟を「平時」へ戻る象徴としたいのかな、と思わなくもない。
この方針を受けた文部科学省の通知は、児童生徒と教職員は「式典全体を通じてマスクを外すことを基本とする」。
入退場、式辞、卒業証書授与、送辞・答辞、斉唱・合唱と場面ごとにも書く。何ともご丁寧に。
能代山本の各校の対応を取材していた担当記者を手伝い、一部の小中学校に電話で取材。
卒業生たちの「顔」を見せたいとの願いも、新型ウイルスやインフルエンザの感染防止に神経をとがらせる現状も、ほぼ各校共通。
ふと疑問が湧いた。普段はマスクを着けている子どもたちに、どう声を掛けるのだろう。
「マスクを取ってもいいですよ」なのか、「皆さん、マスクを外しましょう」なのか…?
卒業生は歌・呼び掛けも含めマスクなしを予定する小学校の校長先生の返答は「すごい、難しい。
『式典や写真撮影があるので、取ってください』かな。
マスクをしたいと言うなら、それでいい」。
中学校の教頭先生は「『最後の儀式だし、みんなでマスクを取ってやらないか?』という呼び掛けになるのかな」。
何とも悩ましい、という空気が伝わってくる。
今回は卒業式という特別感いっぱいの式典に限った対応だが、4月1日からの学校教育活動は「マスクの着用を求めないことを基本とする」となる。
さて、どう声を掛けるのだろうか。
(渡)