議員のなり手確保へ一手
統一地方選がこのほど終わった。能代山本地方は「後半戦」(先月23日投開票)の選挙はなく、ただ結果に触れるのみだったが、一連の報道である事例に興味を覚えた。
長野県木祖村の現職村議10人全員が、昨年12月議会最終日に4月の選挙に向けて一斉に「進退表明」したという取り組みだ。
議員のなり手不足が問題化する中、まずは自助努力として現職が早めに態度を明らかにすることで議会に注目を集め、新人の立候補者が現れるのを狙った。
その効果からか、定数1減の9議席を争う選挙には新人2人を含む計10人が立候補し、選挙戦に。
初当選を飾った新人の女性は「現職の態度表明は、立候補のきっかけになった。若手や女性が少ない状況を知り、議員になろうと決意できた」と振り返った(先月25日付、読売新聞オンライン)という。
木祖村議会がこの後、どうなっていくかは分からない。
ただ今回のような取り組みができた議会は、加わった新しい「仲間」と共にまた新しいユニークな何かを村民に見せていくはず。
そうすれば議会への関心はさらに高まり、4年後は志を持つ新たな人が名乗りを上げる──。
風が吹けば桶屋がもうかるではないが、現職の早期の進退表明の先にはそんな明るい未来まであると考えてしまったのは、少し評価のし過ぎか。
議員のなり手不足の要因の一つに、議会・議員の魅力欠如が指摘されている。
この解消は、現職の議員たちの力なくしてできないことだ。当地でも、早期の進退表明に限らず、そこに対してできる「自助努力」がもっとないのか、議論が活発化するのを願う。
(平)