災害級「令和5年猛暑」

昭和58年の日本海中部地震、平成3年の台風19号被害、23年の東日本大震災──。
市民生活にまで影響を及ぼす大きな災害は、その発生年(場合によっては年月日まで)とセットで深く記憶に刻み込まれている。
昨年や一昨年の夏の暑さがどうだったかすぐに思い出せないけれど、「災害級」と言われる「令和5年夏の猛暑」を、おそらく忘れることはないだろう。

秋田地方気象台によると、能代市能代地域は7月27日からきのう8月28日まで、最高気温が30度以上の「真夏日」が33日間連続。
昨年は1日もなかった35度以上の「猛暑日」は9日あり、今月10日には統計開始の昭和51年以降で2番目に高い38.4度まで上昇した。

気象庁・環境省からは、熱中症の危険が特に高まることを知らせる「熱中症警戒アラート」が連日のように発表され、消防によると、熱中症とみられる症状での救急搬送は今夏、90人にも上っている。
また猛暑に加え、8月は雨もほとんど降っておらず、特産ネギの生育不良やキャベツの苗の枯死が確認されるなど農業被害も徐々に広がりを見せている。

民間の気象情報会社のサイトを見ると、「真夏日記録」が今月いっぱい継続するのは確実で、それ以降も9月前半までは30度前後の日が続きそう。
暑さはもううんざりだが、人も作物もできる対策をして、まずはこの「記録的残暑」を乗り切りたい。

7月には記録的大雨による水害があったほか、今後は台風被害にも警戒が必要なシーズンに入る。
令和5年が「夏の猛暑」以上の災害で記憶に残る年にならないことを願うばかりだ。

(平)

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