「記事の基本」を胸に
記事を書いたり直したりする際に参考にしている北羽新報の記者必携の「用字用語ブック」(時事通信社)が7年ぶりに改訂された。
この間、人工知能(AI)の活用が進むなど、社会は大きく変化しており、最新の第8版では、時代の動きに合わせて用語の入れ替えを行ったほか、外来語や外国地名、運動用語、特定商品名などの表記を見直したという。
ウクライナの首都は「キエフ」から「キーウ」となり、最近の紙面に頻出する「SDGs(持続可能な開発目標)」が加わった。
ほかに「デジタルトランスフォーメーション(DX)」「メタバース(インターネット上の仮想空間)」「アバター(分身)」「NFT(非代替性トークン)」も。
いまいちのみ込めていないが、こうしたデジタル技術に関連する言葉は、今後ますます重要となるだろう。
新たな言葉は当然ながら、気を付けなければならないのが、用字用語の使い方の変更。
例えば「掛かる」。
第7版までは漢字だった「気がかり」「経費・コストがかかる」「迷惑がかかる」は、平仮名書きが推奨されるようになった。
改訂によって手に取る回数が以前より増えた用字用語ブック。
冒頭にある「記事の基本」が目に留まった。
そこでは、「何がニュースか判断」「見出しは10字以内」「結論を先に」「文章は短く」「何もかも詰め込まない」「送稿前に読み直す」といった項目を立てて解説。
ニュース、情報の伝達を目標とする記事の文章は「簡潔で分かりやすくなければならない。読んでもらえなければ、目標を達成できず、意味がない」と。改めて胸に刻もう。
(工)