伝統の百万遍、大数珠回して無病息災 三種町下岩川の達子地区

 三種町下岩川の達子生活改善センターで21日、春彼岸行事の「百万遍」が行われ、地域の女性たちが念仏を唱えながら大数珠を回し、先祖の供養や無病息災を願った。「百万遍」は、悪病を払ったり地域の安泰を祈ったりする民間信仰の一つで、能代山本各地に伝わり、春の彼岸入り(今年は17日)や彼岸中日(20日)、彼岸明け(23日)などに行う。達子地区では彼岸中日は墓参りや各家々での先祖供養で慌ただしいことから、彼岸中日の翌日に実施している。鉦(かね)の音に合わせ「ナンマイダーブツ」と唱えながら大きな数珠を回し無病息災や家内安全、五穀豊穣(ほうじょう)などを願った。100回数珠を回し終えると、みんなで昼食を味わいながら世間話に花を咲かせた。近藤ヤス子さん(86)は「下岩川で百万遍が続いているのはここだけになった。集落のつながりを大事にし、これからも継承していきたい」と話し、最高齢の金子ヤスエさん(96)は「自分を守ってくださいと願った」と語った。

伝統の「百万遍」を受け継ぎ、大数珠を回す女性たち(三種町下岩川の達子地区で)
伝統の「百万遍」を受け継ぎ、大数珠を回す女性たち(三種町下岩川の達子地区で)

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