地域のチカラ 元気吹き込む ⑩

陸上競技普及させたい
藤里町スポ少 佐々木 信さん(41) 藤里町藤琴字大関添

佐々木 信さん
佐々木 信さん

 藤里町スポーツ少年団の陸上競技部門の指導者を担当。3年度から設立された部門で、競技者だった自身の経験を生かしながら指導に取り組んでおり、「子どもたちに陸上競技の楽しさや魅力を味わってもらい、藤里にもっと浸透させていきたい」と意欲を燃やしている。
 同町粕毛出身で、能代工高に入学し陸上競技を始めた。長距離が得意で、主に1500㍍や3千㍍障害の種目に取り組んだ。高校卒業後は町職員に採用、能代山本陸上競技協会で平成26年まで現役で活動していた。
 同町スポ少にはもともと陸上競技がなかったが、競技に取り組みたいという子どもが出てきたことから、平成28年度から指導に携わり始めたという。
 その後もしばらくはスポ少に陸上競技が加わらず、「最初は個人的に相談を受けて指導を始めたもので、令和2年度までは宙ぶらりんの状態のまま活動していた」と振り返るが、3年度から正式に部門が設立された。その後も指導を続けており、町民グラウンドや町民体育館で活動を行っている。
 同町に陸上競技を普及させたいという思いが強かったことから、受け皿ができて競技に取り組みたいという子どもたちが増えてきたことを喜んでいる。
 陸上競技部門に所属するのは藤里学園後期課程(7~9年生)がほとんどで、前期課程(1~6年)は毎年1、2人ほどという。後期課程は実質1人で指導に当たっており、「結果ありきではなく、マナーやあいさつといった人として大切なことも主眼において教えている。入って来る子どもたちもさまざまで、自分が競技をするのとは違い、指導をすることの難しさを感じている」と話す。
 教える側の立場としての大変さを実感している一方で、けがの予防など現役時代の経験を生かした指導に取り組んでいるといい、「視野が広がって物事を客観的に見ることができるようになり、自分自身の成長にもつながっていて、子どもたちから元気ももらえている」と語る。
 子どもたちの成長や競技を楽しむ姿に充実感を感じており、「年々いろんな選手が出始め、今年度は県大会出場者も増えて結果が表れるようになり、高校でも陸上競技を続ける子どもたちが多くなっているのでうれしい。中には、指導の道に進みたいということで練習の様子を見に来る卒業生もいるので、この流れが続いていってくれれば」と口にする。
 指導者の育成・確保や部活動の地域移行など今後の課題も多いが、「子どもたちが損をしてしまうことは絶対にあってはならない。しっかりと土台を作り、子どもたちがやりたいことを継続していけるようにサポートしていきたい」と話す。

(小林 佑斗)

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