
店頭で物価高実感
今月初旬、リンゴが欲しくて能代市内のスーパーへ。入ってすぐ、売り場の価格表示に目を疑った。青森産ふじ1玉298円(税抜き)。リンゴってこんなに高かった?。買おうか買うまいか悩んだ末、隣にあった小型の2個入りパック(それでも400円)で我慢した。
キャベツ、ハクサイなど野菜の高騰が言われているが、果物も結構高い。リンゴのほかミカン(静岡産)は6個入り1袋698円、抜群の甘さと酸味が絶妙なデコポン(熊本産)は大玉1個498円(いずれも税抜き、13日時点)といった具合。
報道によると、果物の価格は昨夏の猛暑や冬の冷え込みによる生育不良、カメムシの大量発生などの影響で出荷量が減っている上、燃料価格の上昇分の上乗せもあり、例年に比べ2~3割ほど高くなっているという。スーパーでは1個ずつばら売りにするなど少しでも買い求めやすいように工夫しているが、割高感はぬぐえず、おいそれとは手を伸ばせない状況だ。
野菜や果物だけでなく「物価の優等生」と言われた卵も価格の高止まりが続いているし、コメや小麦製品、その他食品全般がここ数年で軒並み値上がりした。さらにこの冬、歴史的不漁となったハタハタを、私は一度も食べられないでいる。
現在の社会情勢から、物価が逆戻りすることは当面考えづらいし、他方、地球環境のさらなる変容から、「旬の味覚をいただく」こともこの先、もっと難しくなっていく気がしてならない。「庶民の味」なんて言葉も、いずれ消えて無くなるのだろうかと思いつつ、リンゴをかみしめた。
(平)