干し餅の〝カーテン〟寒風にゆらり 能代山本地方の農村部

 能代山本地方の農村部などで、干し餅作りが進められている。寒冷な気候を生かした伝統食だが、暖冬で冷え込みが足りないと指摘する生産者も少なくなく、作業所内に吹き込む寒風に加えて送風機も使用するなど手間をかけて干し餅を仕上げている。三種町志戸橋字久根添の農業、石井守造さん(78)、イキさん(76)夫婦は50年以上前から干し餅を製造。自ら育てたもち米を元日について干し餅作りが始動するのが近年の慣例となっている。ついた餅は型箱に入れて固め、裁断、ひもで編んだ後、湯や水に浸してから屋外や作業所内につるす。開け放たれた窓から吹き込む寒風で揺れる干し餅はカーテンのよう。22日は今季初出荷となり、イキさんは丹精込めて作っている干し餅と向き合い、「いい面(つら)っこだべ」と笑顔を見せた。

ずらりとつるされた干し餅。寒風に揺れる様子はカーテンのよう(三種町志戸橋で)
ずらりとつるされた干し餅。寒風に揺れる様子はカーテンのよう(三種町志戸橋で)

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