たすきの行方は

 正月恒例の箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)は、青山学院が大会新記録で2年連続8回目の総合優勝を飾った。戦前の予想では昨年の出雲駅伝、全日本大学駅伝を制した国学院に初優勝の期待もあったが、それを覆して王者の強さを見せ付けた。

 関東の大学20校と、出場権を獲得できなかった大学の選手で構成する学生連合の21チームが、10区間217・1㌔のコースで健脚を競う。20年ほど前、9区と10区の鶴見中継所(横浜市)でレースを見たが、一瞬で目の前を過ぎて行くランナーの速さ、周囲を埋め尽くす観衆の多さに驚かされた。

 今大会も見どころはいっぱいあった。先頭争いはもちろん、10位以内のシード権争いは最後まで目を離せなかった。10位に入れば来年も箱根路を走れるが、11位以下だと出場切符を懸け予選会に臨むことになり、「雲泥の差」だ。 

 3日の最終10区では8~11位が接戦を演じ、8位と9位は1秒差、9位と10位は2秒差、10位と11位は7秒差でゴールと、し烈だった。11位の大学にとっては「1人1秒ずつ速く走ればシード圏内」と、悔いの残るレースとなった。

 また、箱根駅伝の厳しいルールの一つがトップとのタイム差が規定を超えると、繰り上げスタートとし、母校のたすきをつなぐことができなくなること。今回も3校がこのルールで涙をのんだ。

 さて、たすきと言えば、選挙の候補者。昨年10月の衆院選では、2世候補の何人かが親からのたすきをつなげなかった。今春の知事選、今任期で引退する佐竹知事は後継を指名しないが、そのたすきを手にするのは誰に──。

(池)

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