「いぐねわらしいねがー」 能代市浅内地区で伝統のナゴメハギ
能代市浅内地区に伝わる伝統行事「ナゴメハギ」が31日夜行われた。地元の青年らでつくる浅内ナゴメハギ保存会(保坂智之会長)の会員らが山の神に扮(ふん)して約80世帯を回り、威勢のいい声を響かせながら住民の1年間の厄を払った。ナゴメハギは、男鹿の「なまはげ」と同様に大みそかに行われる来訪神の行事。「怠け者をなくす」「元寇の恐ろしさを伝える」などの由来があるとされ、昭和56年には国記録選択無形民俗文化財の指定を受けている。今年は保存会会員や帰省中の地元出身者ら20~40代の12人が3班に分かれて地区内に繰り出した。一行は民家を訪問し、かねや斧(おの)で激しく音を立てながら「ウォー!」とたけだけしい怒声を張り上げ、子どもには「いぐねわらしいねがー」「良い子にしてねば山さ連れて行くぞ」などと迫った。原田結城さん(61)宅では、長女の結愛ちゃん(6)と長男の智裕ちゃん(3)が、迫って来たナゴメハギに連れて行かれそうになり、泣きながら父母にしがみついて悪いことをしないように約束していた。