地域医療の将来
身近な「かかりつけ医」となる診療所医師の人数、能代・山本地域は20人。▽80歳で引退し、承継がない▽新規開業がない──との仮定で、厚生労働省が推計した2040年の姿。16年後、そう遠くない将来。ぎょっとした。うーん、ヤバい。
「新たな地域医療構想等に関する検討会」へ提出した医師偏在対策に関する資料で、令和4年の診療所医師数と2040年の見込みを示した。東北地方は診療所医師数54%減。37ある二次医療圏のうち27で50%以上減少する。うーーん。
では、本県は。670人から314人となり、53・1%減。八つの旧二次医療圏のうち六つが50%以上減。うーーーん。
さて、能代・山本地域は。51人から20人となり、60・8%減。うーーーーん。
県内最大の減少率はお隣・北秋田の75%減で、16人から4人へ。能代・山本、大館・鹿角、北秋田の3医療圏を合わせた新・二次医療圏「県北」は115人から48人で58・3%減。うーーーーーん。
マイナ保険証が巷を騒がせた。医療DX(デジタルフォーメーション)が、オンライン資格確認システム義務化でマイナ保険証にして、電子処方箋導入に電子カルテ情報共有サービスで全国医療情報プラットフォームを構築……するそうだ。目指すものは「切れ目なく質の高い医療等の効率的な提供」など。
能代山本で医科診療所の閉院が相次ぐ。指折り数えると令和に入り10を超し、多くはベテラン医師の引退と推測。前述の推計が、じわっと現実味を帯びてくる。
医療DX氏は、オンラインがありますよ、とクールに言うのだろうか。業務の効率化を否定するものではない。だけれども。地域医療は、命は、健康は、効率で処理されるものになるのだろうか。うーん。
(渡部 祐木子)