地域の持続へ何を
愛聴している石垣政和さんのラジオ番組のオープニングは、「秋田県民○○万人のお待ちかね!」で始まる。だんだん減っていき、今年90万人を割ったその数字を、何年も漫然と聞いてきた気がする。石垣さんがかつて、人口減少への危機感から言い始めたということを、最近になって知った。
本県の人口は昭和31年の約135万人をピークに減少。平成29年に100万人を割り、それから7年後の今年7月1日現在で90万人を割って89万9314人となり、ピーク時の3分の2に。昭和30年の能代市山本郡の人口は14万2245人(国勢調査)。今年11月1日現在では6万7720人となり、人口減少率は、県全体のそれより大きい。
今年4月には、民間の有識者らでつくる「人口戦略会議」が、能代山本を含む全国の4割の自治体で2050年までに20~30代の女性が半減し、「将来的に消滅する可能性がある」と発表。人口推計を当てはめただけのような未来予測には、釈然としない思いもした。
4月に秋田支社に赴任し、外から能代山本地域を見詰めている。洋上風力発電事業や大手製材工場の進出など、全県的に耳目を集める話題はあるものの、地域の文化を支えてきた老舗が営業を断念したりと、地域経済の実相は厳しいままであることは、案外知られていないと感じる。
来春には知事選があり、今期限りで退任する意向を示している佐竹敬久知事に代わる、ニューリーダーが誕生する見通しだ。各立候補者が県北や能代山本地域の振興策をどう考えるかはもちろんのこと、有権者である私たちが、地域を持続していくために今すべきことは何か。そんな視点を改めて大事にしながら、これからも県政を中心とした動きを分かりやすく伝える努力を続けていきたい。
(菊地 健太郎)