親としての視点で
今春、長男が小学校に入学した。これまで学校現場を取材する機会はたくさんあったが、そこに当事者としての視点が加わったことで理解が深まり、新たな気付きがあった1年だった。
国が推進し、能代市でも力を入れる幼保小連携は、特に関心を持って取材している。幼稚園や保育園、小学校の先生が学校区ごとに協議を重ね、年間を通した計画・交流を実践、5歳児から1年生へのスムーズな接続を目指す。その中で、子どもの育ちを支えるためには家庭との連携も不可欠で、保護者の視点からも考えていく必要があるのではないかと感じた。
わが家では学校が身近になった半面、幼稚園と小学校では環境が大きく変わり、親子で戸惑うこともあった。学校で頑張っている反動か、家庭での反抗的な態度が気になり、時間と心に余裕がないとうまく受け止めることができなかった。
子育ての悩みは尽きないが、取材からヒントをもらうことも多い。教育関係の研修会や保護者向けの講座で知った「ペアレントトレーニング」もその一つ。親子関係を良くするプログラムとして、近年注目されている。
子どもの性格ではなく行動に注目することがペアトレの第一歩。子どもの行動を▽好ましい▽好ましくない▽許しがたい──の三つに分け、好ましい行動を褒めることがポイント。肯定的な注目は好ましい行動を、否定的な注目は好ましくない行動を増やすという。
実際に取り組んでみると、好ましい行動を見つけて褒めるという習慣が少しずつ身に付き、子どもの笑顔が増えてきたことを実感している。
仕事と育児の両立で、取材で得た知識が家庭での子育てに役立ち、親としての視点で取材の質を高めていけるよう、来年も子どもと共に成長していきたい。
(成田 結子)