選手の勇姿伝える
今年はスポーツ取材で遠方に赴くことが多かった。中でも全国高校軟式野球選手権大会、国民スポーツ大会高校野球軟式の部の2大会に出場した能代を追った際は、選手たちの成長と全国のレベルの高さを自分の目で確かめる貴重な機会となった。
8月は全国高校軟式野球選手権の取材のため兵庫県に出張。能代は1回戦で育英(兵庫)を1─0で下し、準々決勝は津久見(大分)に延長10回タイブレークの末に2─1でサヨナラ勝ちを収め、勝ち上がるごとに選手や応援団の取材など忙しさが増したが、それと同時に彼らの勇姿を地元に伝えたいという気持ちが強まり、楽しさも感じていた。
準決勝の相手は大会3連覇を果たした中京(岐阜)。自慢の投手陣が乱れてしまい、機先を制され0─19で敗れた。軟式球の高いバウンドを生かした「叩(たた)き打法」などを的確に使いこなす戦い方を目の当たりにし、強豪の壁の高さを実感した。
10月には国スポの高校野球軟式の部の取材で佐賀県へ。能代は1回戦で横浜商(神奈川)と対戦し、相手打線に圧倒され1─11の6回コールドで敗れる結果となったが、受験勉強で練習が不足していた3年生を献身的に支える1、2年生の姿を見て、来年への期待も感じた。
能代軟式野球部は昨秋の新人戦から目覚ましい活躍を見せたこともあって、1年を通じて選手たちを追い掛けることになった。だんだんと取材慣れする様子なども見て成長ぶりを感じ、頼もしくなっていく姿がうれしかった。
来年はどんなスポーツが活躍するかは分からないが、地元アスリートの勇姿を多くの人たちに届けるため、選手や競技に真剣に向き合っていきたいと思う。
(小林 佑斗)