秋色に染まる2024 まち・里山編⑦
急流に彩り添える 真瀬渓谷(八峰町)
世界自然遺産に登録されている白神山地を水源とする真瀬川の流れとヤマモミジ、イタヤカエデなどの紅葉のグラデーションが美しい八峰町八森の景勝地「真瀬渓谷」の三十釜。鮮やかに色づく木々の葉と奇岩、急流のグラデーションが訪れる人々を楽しませている。
真瀬川は、白神山地の真瀬岳(標高988㍍)を源とする中の又沢、一の又沢、三の又沢が合流し、日本海へと注ぐ。真瀬渓谷の名所である三十釜は、急流が素波里安山岩や凝灰角礫岩を削って形成されたおう穴(ポットホール)や奇岩が多く、小さな滝と滝つぼが交互に連なっているのが見どころ。春は渓流釣りを楽しむ太公望、秋には遡上(そじょう)するサケを見ることができるスポットでもある。
昨シーズンは記録的大雨の影響で、北側の紅葉橋から三十釜眺望所(あずまや)に至る遊歩道が通行できなかったが、今季は通行可。紅葉橋から眺望所へと歩を進めると、赤や黄色に色づくヤマモミジやイタヤカエデ、ミズナラ、コナラといった多種多彩な広葉樹が目を引く。雨が上がった次の日には、ひんやりとした空気に包まれながらしっとりと濡れた葉や岩など趣深い風景を眺めることができ、町内外から訪れた人々を楽しませそうだ。
(藤田 侑樹)