秋色に染まる2024 まち・里山編③
岩の上に錦絵、圧巻 倉山(能代市二ツ井町)
能代市二ツ井町南部の田代、濁川地区に向かうと、道路沿いや川を包むように各所で木の葉が色づき、秋景色を満喫できるポイントが次々と続く。この季節にお勧めのドライブコースだ。
仁鮒、小掛、鬼神地区と進み揚石隧道(ずいどう、トンネル)を通り抜け左側に内川の渓流を望みしばらくすると、田代地区から流れる内川に濁川が合流する仙ノ台地区に着く。集落手前の左手を見上げると、大きな岩山があり、その上部の木々は錦絵のように赤や黄色に染まり、圧巻だ。
「倉山」と呼ばれ、江戸時代の紀行家・菅江真澄が立ち寄り、絵を描いたとされ、文化2(1805)年の紀行文「美香幣乃誉路臂(みかべのよろい)」に記述が残る。
旧二ツ井町発行のガイドブック「きみまち百科」では、「山葵堆(仙ノ台)という村がある。左手に山を望んで二重尋(36㍍)ばかりの大岩があった。この岩の先端の紅葉を、夕日がまばゆいまでに染めている。(中略)この岩にものを言うと応答する。鸚鵡(おうむ)岩であろう」と紹介している。
仙ノ台橋を渡ると、右は濁川地区方面、左は田代地区方面と道が分かれる。濁川、内川べりに紅葉がまぶしい。地元住民は揚石隧道を抜け、隧道右側に織り成す秋景色も絶景とする。
(池端 雅彦)