秋色に染まる2024 白神山地編下

岳岱自然観察教育林 黄葉のブナ林を散策

岳岱自然観察教育林の黄葉は終盤。「岳岱大ブナ」などの木々が来訪者を出迎える
岳岱自然観察教育林の黄葉は終盤。「岳岱大ブナ」などの木々が来訪者を出迎える

 藤里町の岳岱自然観察教育林に育つブナの黄葉は終盤を迎えている。訪れた人たちは季節の移ろいを感じながら、ブナ林の散策を満喫している。
 岳岱は標高約620㍍に位置し、面積は約12㌶。ブナの実生から幼木、成木、老木に至る過程などを見ることができる。
 4年3月に倒伏が確認された「400年ブナ」(生立当時=樹高約26㍍、直径約1・45㍍、幹周り約4・85㍍)の周りでは、「林冠ギャップ」が生じ、若い樹木にこれまでよりも陽光が当たるようになり、森林が更新されていく様子に触れられる。
 岳岱の象徴的存在だった400年ブナの後継樹としてブナとシナノキの巨木2本が新たにシンボルツリーとして選定されており、このうち「岳岱大ブナ」は樹齢300年超とみられ、樹高約31㍍、幹周り約4㍍という樹形は見応え十分だ。
 訪れた人たちは400年ブナを教材に森の循環を学んだり、黄葉したブナ林を歩いて秋の深まりを感じたりしている。山口市の牛尾有佳里さん(23)は「秋田県に初めて来た。ブナの木々を眺めながらの散策は気持ちが良い。きりたんぽ鍋やハタハタなど秋田ならではの料理も楽しみたい」と話した。

(宮腰 友治)

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