秋色に染まる2024 白神山地編中
田苗代湿原を撮る 季節の移ろい感じて
藤里町の田苗代湿原では葉を落とした樹木も見られるが、訪れた人は季節の移ろいを感じながら散策を楽しんでいる。
田苗代湿原は、藤里駒ケ岳(標高1158㍍)の黒石沢登山口から歩いて15分の所に広がる。標高は776㍍。白神山地でも数少ない高層湿原だ。1万年前までは湖沼だったとも言われる。
三つの湿原を貫くように木道が整備されており、来訪者は山登りとは異なり、散策を楽しむことができる。
山開きの時期にはミズバショウ、初夏にはニッコウキスゲが咲き誇るなど山に彩りを添える花々に出合えるのも田苗代湿原の魅力だ。
秋が深まると、湿原を囲むように育つブナをはじめ、モミジやカエデ、カツラ、ナナカマドなど多様な樹木が葉を染め、この時期ならではの表情を見せてくれる。
北秋田市の松岡裕さん(74)は20歳の頃からカメラを手に各地の自然風景を見てきた。「この秋、田苗代湿原に育つ樹木の葉は落ち始めているが、レンズを向けて好きな葉の色合いを探したり、どのように1枚に収めようと考えたりするのが面白い」と話した。
(宮腰 友治)