投票所への「距離」
衆院選が公示され、能代山本を含む秋田2区は前職と新人2人による三つどもえとなっている。首相就任から8日後の衆院解散で突入した秋の陣。各選挙管理委員会は慌ただしい作業を強いられた。
わが編集局も候補者への調査をはじめ、準備に追われた。10月27日投開票の想定はあったが、自民党総裁選で早期解散に慎重論だった石破茂氏が当選し、「27日はない」と見込んだ。それが一転、首相に選ばれる前の先月30日に「27日選挙」を表明、急きょ選挙報道体制を敷くことになった。
選挙戦も後半に入り、能代山本にも「ウグイス」の声が響いている。各市町の期日前投票所では有権者が一足早く「一票」を投じる光景が見られている。
近年は投票する人のほぼ半数が「期日前」を利用している。そうしたことも背景に、人件費や人員確保などを考慮し、自治体が投票日当日の投票所を減らす傾向にある。能代市は前回(3年10月)の衆院選から54カ所を37カ所とし、三種町は今回から21カ所を14カ所にする。
投票所が減ることで、高齢者を中心に「行きたくても行けない」有権者は当然増える。三種町は移動期日前投票所を開設したり、期日前投票の際はバス運賃を無料にしたりと支援策を講じている。能代市は特に救済策はなく、「投票弱者」は本人が足の確保を考えなければ「一票」を行使できない。
一方で、政治、選挙への関心が低いとし、期日前を含め投票に行けるのに行かない人も多いのが、投票率低迷の要因だ。こちらの投票所への“距離”を縮めるのも難しい。
(池)