インバウンド呼び込んで
米アップル社の新型「iPhone(アイフォーン)」の店頭販売が今月始まった。直販価格は最安の「iPhone16 126GB」で12万4800円。現在自分が持つ5年前の機種は、同じ容量で確かその半値ぐらいで買えた。改めて「円安」を実感している。
円安は、こうした外国製品の値上がりやエネルギー価格の高騰などを招いている半面 インバウンド(訪日外国人旅行者)を増やすという点では大きな追い風で、日本政府観光局が調べた今年8月の訪日外国人は5年前から16・4%増の293万3千人。7カ月連続で過去最高を更新中だ。
この半年間に関東、関西にそれぞれ行く機会があったが、そこかしこに外国人があふれていた。有名観光地だけでなく、とにかく街じゅうに。外国人の財布のひもも円安でさらに緩んでいるのは間違いなく、大都市圏や観光都市にもたらされている経済効果はとてつもないものだろう。
一方、わが能代山本に目を向けると、例の「スラダン」人気で韓国や台湾などから来訪する動きは見られたが、空前のインバウンドブームを取り込めているとまでは言い難い。観光地でもないこの地域に外国人観光客を呼び寄せるのが至難な技なのは重々承知だが、円安のマイナス面ばかりが際立ち、人口減にも歯止めがかからない当地だからこそ、各方面にはもっと、対インバウンドへの野心的なアクションが欲しい。
先日能代市の国道7号沿いで、アイスコーヒーを手に歩く欧米系の若い男女を見掛けた。「あなたたちはなぜココに?」と、聞いてみたかった。
(平)