笑顔輝くシルバーさん⑥

心身のリフレッシュ
水中運動 相澤 裕子さん(90)能代市住吉町

相澤 裕子さん
相澤 裕子さん

 能代市住吉町の相澤裕子さん(90)は、水中運動でスリムな体型と健康を維持している。知人と交流する場でもあり「心身ともにリフレッシュされ、生活にリズムが生まれる」と言う。
 今月10日午後2時30分。同市落合のアリナスに集まったアクア体操教室の中高年女性たちが、25㍍プールで水よせ、水押し、もも上げと動きを変えながら水中歩行する。1時間弱の運動で汗を流した相澤さんの血色は良く、若々しい。
 約50人いる受講生の平均年齢は73歳。90歳の相澤さんは最高齢だ。アリナス職員は「相澤さんの元気な姿は、知る人の間では『私たちもまだまだ頑張れる』とのメッセージになっており、『目指せ相澤さん』が合言葉になっている」と明かす。
 水中運動は腰の違和感を緩和するため、20年以上続けている。体への負担が少ないため、高齢になっても安心して取り組める。水中の心地良さを感じるだけでも、日頃の疲れが癒やせるという。
 市中央公民館や能代図書館のヨガ教室、古典講座、歌う和の会にも通っており、「運動で体を使って、楽しく歌い、古典で頭を使う」と心身の調和を図っている。
 能代北高を卒業して能代営林署に就職し、定年の平成6年まで働いた。市内だけで木材業者が400社以上あり、林野庁に「能代はドル箱」と言わしめるほど活気づいた時代。天然秋田杉のおかげで、盛んに入札が行われる中で収入の業務に携わり、「多忙だったが、いい職場だった」。営林署のかつての同僚で、相澤さんの当時を知る白神森林組合の金野忠徳組合長(89)は「彼女は職場ではマドンナ的な存在で、みんなの憧れの的だった」と懐かしむ。
 しゃかりきだった若い頃と違い、今は日常生活にさりげなく健康づくりを組み入れる。〝幸せホルモン〟が分泌されるという朝日を毎日浴び「体のスイッチを入れる」。自転車をこぐ際にも呼吸を意識し血流を促す。
 食も大事にしており、「魚は旬にこだわる。肉も好きで冷蔵庫に常備している。出来合いのものは食べず、自分で調理する。息子の車で行く週1回の買い出しの日は本マグロを食べる」と豊かな食生活を送る。「明日のために今日を頑張る」と1日1日を丁寧に生きる姿勢が健康にもつながっている。

(若狭 基)

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