笑顔輝くシルバーさん④
自慢の俊足で白球追う
野球 白井 鉄雄さん(82)能代市西通町
俊足の1番打者で、堅守の外野手──。能代市西通町の白井鉄雄さん(82)は、軟式野球チーム「能代たつみ喜寿・傘寿クラブ」で白球を追い続けている。「全力で走れる限り続けたい。少なくとも85歳までは」と“現役続行”に意欲を見せる。
少年時代は珠算に熱中し、能代商高では珠算部のキャプテンも務めた。野球を本格的に始めたのは高校卒業後。郵便局員として働きながら、地域の朝野球リーグでプレーした。
運動が好きで、負けん気が強かったこともあり、打撃も守備もめきめきと上達。仕事に励みながら、早朝や休日に仲間と球場で汗を流すのが日常となった。
400歳野球大会(北羽新報社主催)では、能代西友クラブで活躍した。66歳だった第68回大会(平成20年)で、各試合の光るプレーに贈られる「ハイライト賞」を獲得。途中からセンターの守備に入り、大きな飛球を転倒しながらキャッチした。「若いチームメートに負けたくなくて、うずうずしていた」と懐かしむ。
能代山本生涯野球推進連盟の能代たつみ喜寿・傘寿クラブ(平均年齢81・8歳・最高齢87歳)で、中心選手としてチームを引っ張る。守備範囲の広いセンターを任され、打線では1、2番でチャンスメークを担う。
自慢の俊敏さは、ミニテニスとの“二刀流”で培った。平成16年には、全国大会で所属チームが団体優勝。指導員資格も取得し、今も週の半分は市内の体育施設で練習に汗を流す。
生きがいであるスポーツを続けるため、健康管理にも余念がない。60歳で禁煙したのは「走ると息切れしてしまうのが嫌だった」から。お酒は控えめに楽しみ、飲み会があっても午後10時前の帰宅を心掛けてきた。晩酌は「練習がない日に、日本酒1合まで」。
野球は今季、素振りの最中に腰を痛めてしまい、試合出場を控えている。競技に熱心な姿勢がたたってしまったが、来季の復活を見据えて体づくりに努めている。「2分間走」と「50㍍ダッシュ」を継続し「全力で走れるまで体が戻ってきた。来季が待ち遠しい」と表情を引き締める。
妻の由紀子さん(76)は、頑張り過ぎる夫を気遣いながら「健康維持に適度な運動は大切」と、一緒にミニテニスを楽しんでいる。
(川尻 昭吾)