見出しづくり追求
新聞社で言う「整理」とは、原稿段階の記事に「見出し」を付け、紙面にレイアウトする仕事を指す。
その見出しだが、立て方にはいくつかルールのようなものがある。「1本の見出しの字数は、おおむね10字以内」はその最たるものか。短く、簡潔な言葉ほど読者に伝わりやすいというのがその理由で、ほかにも新聞を開いたとき、字数が多い見出しはあまり見栄えがしないというのもあるのだろう。
4月から整理部に配属となり、取材記者が書いてきた原稿を読んでは記事の内容に合ったベストの見出しは何か考える日々だが、これが実に難しく、この2カ月、すんなりと決まったためしはほとんどない。
「これだ」と思い付いても字数が超過していたり、文字を省略すると今度は日本語としておかしいことになったりと。さらに文字のフォント、「主見出し」を補足する「袖見出し」「割見出し」にどんなフレーズを置くか、平凡なものになり過ぎないように等々、とにかく考えることが多い。
それでも、どうにかひねり出し、それが紙面に載るのは得も言われぬ達成感。そして1人でも多くの人が、その記事を読んでくれればいいな、と。そんなことを思う毎日だ。
以前インターネット通販に関する講座の取材で、講師が「客がサイトを見て商品を欲しいか、そうでないかを判断する時間は0・2秒」であり、その勝負に勝つには見せ方の工夫が大事、と言っていた。新聞も同じだと思う。
読者の心にスパンと引っ掛かる見出しづくりを、追求してみたい。
(平)