春花の風景 2024能代山本⑯
森岳の果樹園(三種町) 清楚感あふれる
三種町山本地域の果樹園で、リンゴの花が咲き、枝を淡いピンクで彩っている。白いナシの花も満開で、美しい競演が道行くドライバーの目を引き、果樹産地をアピールしている。
同町森岳の横長根地区は果樹園が並び、道路の両側にリンゴの花が続く区間もあり、この時期ならではの風物詩だ。
同地区の吉田果樹園では先月24日にナシの花が咲き始めると、数日後にはリンゴも開花し、今は共に満開となっている。同果樹園代表の野呂田雅彦さん(61)によると、桜と同じように、昨年ほどではないが平年よりは早まっているという。「かつてはナシもリンゴも5月に入ってから花が咲いていた」とし、開花に追われるように授粉作業に精を出している。
リンゴの花びらの色は品種によって違いがあるが、多くは白を基調にピンクがかったもので、清楚(せいそ)な姿が目を引く。純白がまぶしいナシの花とともに、もう少しの間、見頃が続きそうだ。
「昨年は夏の猛暑で果実の落下が目立ち、早生種や中生種は全滅の状態だった」と振り返る野呂田さん。それだけに、出来秋に期待する思いはひときわ強い。今後の雨、猛暑、さらに台風と、収穫まで天候に気をもむ日々となる。
(池端 雅彦)