春花の風景 2024能代山本⑮
扇田神明社の八重桜(能代市) 社殿を華やかに
能代山本では、ソメイヨシノに代わって八重桜が見頃を迎えている。民家の庭先などでボリュームたっぷりの花が開き、春本番の陽光を浴びて咲き誇っている。
八重桜は観桜スポット化されている場所が能代山本にはほとんどないものの、庭先などに植栽されていることが多い。すっかり花を落としたソメイヨシノから「桜のリレー」を引き継ぐように見頃を迎えている。
能代市能代東中と県道を挟んで西側に位置する扇田神明社の境内では、植栽されている八重桜が満開となった。同神社は毎年7月に例祭が開かれ、地区内をみこしが巡る。春はひっそりとした雰囲気が漂う境内だが、八重桜の薄いピンク色の花びらがふっくらと重なり合い、見応え十分。厳かな社殿に彩りを添えている。
春本番を感じさせる青空が広がった先月29日、花びらは陽光を浴びて華やかさを増した。県道を通行する人たちの中には、車から降りてじっくりと観賞する人の姿も見られた。
社殿などは同市の扇田自治会が管理している。近藤正会長(78)によると、毎年美しい花を咲かせ、地域住民に本格的な春の訪れを伝えてくれる存在だという。周辺の水田では、耕起や代かきなどが本格化し、春作業の活気も漂っている。
(川尻 昭吾)