春花の風景 2024能代山本⑪
岩子地区の桃(八峰町) 里山に春の彩り
能代山本の民家の庭先などで桃の花が咲き、住民の目を楽しませている。八峰町峰浜地域の岩子地区周辺でも赤や白の桃の花が咲き誇り、まるで「桃ロード」のよう。里山に春の到来を告げている。
里山の自然や桃の花、古民家が織り成す手這坂集落は、江戸時代の紀行家・菅江真澄が桃の花が咲き誇る光景に感動して「桃源郷」とたたえた。
手這坂に向かう道中にある岩子地区周辺でも民家の庭先などに桃の花が植えられ、赤やピンク、白色の花が春らんまんの雰囲気を演出。住民やドライバーを楽しませている。
今年も春の陽気にほころんだ。今が見頃で、あちこちで鮮やかな花を咲かせている。鈴木忠之さん(72)方の庭には、紅白の花が交じって咲く「源平桃」が庭に植栽されている。春の陽光を浴びて鈴木さんによると、義母のテル子さん(故人)が20年ほど前に近所の親戚から譲ってもらった桃の木を植えたもの。令和元年に亡くなった妻静子さんも庭の手入れに精を出していたという。
この春も見事に咲き誇り、鈴木さんは「例年より早いが、きれいに咲いてくれた。この花を見ると癒やされる」と笑顔を見せた。
庭には桃の木の他に、スイセンやユキヤナギなどが競演し、地域に彩りを添えている。
(山田 直弥)