春花の風景 2024能代山本⑩
街なかのナシ(能代市) 授粉作業も盛り
能代山本の果樹園で、ナシの花が咲いている。一部の品種で清楚な雰囲気を漂わせる純白の花を付け、道行く住民やドライバーを楽しませている。
能代市出戸本町の「山千代果樹園」(山田佳正園主)では、同所のナシ園約70㌃で主力品種の幸水をはじめ豊水や秋泉、あきづきなどを栽培している。
毎年開花が早いという秋泉の花が例年より1週間ほど早い20日ごろに咲き始めた。かわいらしい花を付け、好天の日は白い花と青空が鮮やかなコントラストを描く。
21日に人工授粉作業を始めた。青空が広がった22日も園主の山田さん(72)が出来秋を願いながら、電動の授粉機を使って雌しべ一つひとつに丁寧に吹き掛けた。
山田さんによると、昨年は霜害や夏の雨不足に悩まされたという。冬の間も寒さに耐えながら剪定など地道な作業に汗を流し、「今のところ生育は順調。今年は穏やかな天候が続いてほしい」と話す。
今後は幸水などの花も開花する。山田さんは「冬の作業の頑張りに応えたくれたように、きれいに咲いてくれた。豊作になり、たくさんの人に秋の味覚を届けたい」と語った。
ナシ園では、生け垣のように植栽されているユキヤナギの花も咲き、陽光に光り輝いている。
(山田 直弥)