春花の風景 2024能代山本⑤
角助沼の桜(三種町) 水辺の散歩に彩り
三種町森岳の角助沼では、沼を囲うように植栽されている桜が咲き誇り、散歩などを楽しみに沼に訪れる人たちに春の便りを届けている。
角助沼は山本体育館の南側に広がる、ため池。沼の周りには、次世代を担う子どもの健やかな成長や郷土を愛する心を育てることを目的にしたり、三種町の誕生を記念したりして植樹されてきた桜が育ち、その数は約500本とされる。
今月中旬以降の暖かさで、つぼみはほころび、開花が進んだ。桜の木の大きさは違っても、それぞれの枝の先で愛らしい花が咲き、沼一帯に本格的な春の到来を告げている。
16日午前に散歩で訪れた70代女性は「普段は住宅が建ち並ぶ通りなどを散歩しているが、そろそろ満開を迎える時期と思い、角助沼に寄ってみた。沼の近くは冷たい風を感じるが、きれいな花を見ることができて良かった。見頃は短いかもしれないため、春に桜を見られる機会を大切にしたい」と満足そうだった。
桜が散った後、角助沼では例年7月から8月にかけてハスの花が咲き、水面で濃淡のあるピンク色の花と青々とした葉が夏の風景をつくり出す。
四季の移ろいを感じられるのも角助沼の魅力の一つだ。
(宮腰 友治)