ふるさとの歴史にロマン
能代市中央公民館で16、17の両日開かれた市民おもしろ塾など主催の「柏子所貝塚・麻生遺跡の遺物展」。柏子所貝塚(同市柏子所)出土品で県指定有形文化財の骨角製品や貝製品、麻生遺跡(同市二ツ井町麻生)から出土した鉢形・壺形土器、注口土器など、普段目にできない約150点が特別公開された。
また同時開催された16日の講演会では、県立博物館副主幹の加藤竜さんが両遺跡の概要や出土品の特徴などを解説。貝塚は全国に約2400カ所あるが、県内には9カ所しかなく、うち3カ所が能代山本(柏子所、落合、萱刈沢)にあること、同遺跡が全国でも屈指の貝輪(腕輪)の製作地だったこと、国重要文化財の麻生遺跡出土土面は「(縄文時代の)土面の最後の姿」(加藤さん)であることなどが紹介された。
初日の展示会には、開場と同時に市民や市内外の考古学ファンがひっきりなしに訪れ、ガラスケース内の〝お宝〟の数々にくぎ付けになっていたほか、講演会も用意した約100席が全て埋まるほどの盛況ぶり。その「熱気」に驚かされたが、かくいう自分も半分取材、もう半分は一市民として、前のめりで展示を見て、講演を聞いた。そして高い技術と美的センスも持ち合わせた人たちの営みが2千年以上前のこの地に確かにあったことに、改めて誇りと感動を覚える機会にもなった。
縄文に続いて23日は、檜山崇徳館で午後1時30分から今年度檜山城跡発掘調査の報告会(市教委主催)が開かれる。通称本丸で見つかっている建物跡などの解説がある。能代の「戦国ロマン」も、存分に味わおう。
(平)