護衛艦「のしろ」に乗る
6月30日に能代港へ初入港した海上自衛隊の護衛艦「のしろ」。
これまでさまざまな艦に乗り、見学したことはあったが、古里・能代にちなんだ艦名ということもあり、感慨はひとしおだった。
同艦は日本周辺海域の警戒監視のほか、海中の機雷の探索・除去なども担う「FFM」といわれる新型護衛艦「もがみ」型の3番艦として、1年前に就役。
同じ名の艦としては、日本海軍の巡洋艦「能代」、海自の護衛艦「のしろ」に続く3代目。
母港は長崎県の佐世保基地だが、7月の「のしろみなと祭り」での一般公開に合わせて能代港に来航。
入港後の報道公開に、縁あって参加できた。
第一印象は「のっぺりした艦だなぁ…」。
角張った上部構造物、角のようなアンテナ、背の低い艦橋。プラモデルであれば部品が少なく簡単に組めそうなデザインだ。
「これまでの艦以上にステルス化が図られているのですよ」との担当士官の言葉に納得。
時代と技術の進化に感心させられた。
各種システムの統合で乗員数は先代の半分程度の約90人。
リストバンド型のセンサーで乗員の位置や体調などが分かるというハイテクぶりだった。
食堂では乗員が昼食タイム。
この日は金曜日で、海自名物「カレー」が提供されるかと期待したが、チャーハンで少し残念。
機会があれば、ぜひ食べてみたい。
自衛隊秋田地方協力本部の担当者の話では、「のしろ」目当てに県外から訪れたファンも多く、四国から追い掛けてきた人もいたという。
「のしろ」をきっかけに「能代市」との縁ができればうれしく思う。
取材後、「乗員に九州出身が多い艦ですが、能代との縁を大切にしていきたい」と担当士官。
「のしろ」の安全な航海、そして来年の〝里帰り〟を願っている。
(藤田 侑樹)