フロントランナー

「他に負けないぐらい能代市はいろいろやっている。知られていないから、うまく情報発信しないと」。
子育て支援策について、斉藤市長や幹部職員からよく聞くセリフだ。本当にそうだろうか。

確かに、市の妊娠・出産・子育てサービス一覧を見ると41項目がずらり。
不妊治療費の助成や、保護者の病気の際に子どもを施設で預かる事業などもある。

ただ、予防接種などやって当然な事業が含まれ、市独自とする誕生・入学お祝い金などは他市町が先駆けて実施。
子どものマル福は10月に全高校生を対象としたが、助成内容は半額助成で自己負担あり。
8月時点で県内20市町村が全額助成しており、能代市は後発組で助成割合が少ない。

担当課に「市が他市町村に先駆けている施策は」と尋ねたが、正確に答えるのは難しいとのこと。
保護者にとって負担感のある学校給食費や医療費への支援で後れを取りつつ「いろいろやっている。あとは周知だ」でいいか。

市議の若返りが図られたせいか、給食無償化など子育て支援策の充実を問う議員が増えたが、当局の答えは大抵、財政負担を踏まえ「支援策全体の中で検討」。
12月定例議会では議員が給食の無償化を行えば「パイオニアになれる」と詰め寄ったが、斉藤市長は「パイオニアになるならないはどうでもよい」とかわした。

市長が「日本のフロントランナー」と自負する洋上風力発電事業が進み、製材最大手が進出する能代。
子育て支援も全国の最先端を走れれば、移住・定住の推進力にもなり、パズルのピースがハマる気がしないか。

市長は給食の無償化に「子育て中の皆さんにプラスになるか考える必要がある」と答弁した。

お答えします。もちろん、プラスです。

(山谷 俊平)

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