天災は忘れる前に
今年の夏、能代山本は大雨に見舞われる日が多かった。
特に8月は線状降水帯や停滞する前線の影響で記録的な大雨となり、三種川の氾濫、米代川支流の越水などによって建物や農林業への多大な被害が発生、防災について改めて考えさせられる年となった。
8月を振り返ると、3日は日本海上の低気圧から伸びる前線の影響で線状降水帯が発生、能代山本では河川の増水による道路や田畑の冠水など被害が各地で発生し、一部地域には「大雨・洪水警戒レベル」のレベル4に当たる「避難指示」が出された。
その後、停滞する前線の影響で9~12日は記録的な大雨に見舞われ、三種町下岩川地区などでは三種川が氾濫して住家・非住家の浸水被害が相次ぎ、最も危険なレベル5に当たる「緊急安全確保」が発令された地域もあった。
同市二ツ井町では、米代川の支流・内川の越水によって小掛地内の県道が決壊し、田代集落と濁川集落が孤立した。
10日昼すぎに下岩川地区で大雨被害の取材に当たっていた。
長面では三種川の氾濫によって道路が冠水、時間が経つにつれて水位は上昇。
浸水した小屋の壁が剝がれてさまざまな物が流されていくなど凄惨な光景が広がり、天災の恐ろしさを目の当たりにした。
自宅がある同市中川原では、50年前に米代川堤防の決壊によって洪水が発生し、全域が浸水被害に見舞われた。
当時はまだ生まれていなかったが、自宅1階の天井付近には被害の跡が残り、幼い頃から洪水の話を聞いていた。
堤防が改修されたことで現在までに洪水の発生はないが、近年は「天災は忘れる前にやって来る」とよく言われる。
過去に学んで事前の備えを徹底し、もしもの時は自助・共助に取り組めるように頑張りたい。
(小林 佑斗)